プロローグ

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寒い冬は見境なしに弾幕を放つ春の妖精の出現によって跡形もなく去っていった… 足首位あった雪は一瞬にして溶けてゆき、その場所には雪解け水によりキラキラと輝いた、草の芽が出ていた。 そう…幻想郷に春が来たのだ。 紅魔館~門前~ 「はふ~…ぽかぽか日和だ~」 うう~んと体を伸ばして呟くのは、門番である私のいつもどおりの姿… 「やっぱり春はいいな…」 あの高い空には、適度な温度で私の眠気を誘う暖かい太陽が… いつもどおりの春の空… ふと敷地内にある花壇を門の間から覗いてみれば、とても綺麗に咲いた沢山の花が… これもいつもどおりの春の景色… そして私の隣を見れば、銀色の髪を揺らし、エプロンドレスが素敵なメイド服を着こなした、なんとも美しい女性が……… うん、いつもどお…… うん…?
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