キミとの出逢い

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今日は中学校の入学式。 葵は親友の真白と一緒に中学校に向かっていた。 「今日から中学生かぁ。 何かドキドキするね。」 真新しいセーラー服のリボンを直しながら葵が言う。 「ホント。急に大人になった気がするよね。 桜ヶ丘小だけじゃなくて、緑ヶ丘小からのの人達も来るわけだし。 カッコイい人いると良いね」 真白がはしゃぎながら言う。 葵達が通う桜ヶ丘中学校には桜ヶ丘小と緑ヶ丘小の二つの小学校から生徒が来るのだ。 「イマイチ恋愛とか良く分かんないけど、カッコイい先輩とかいると楽しいかも。 テニス部にいるかなぁ。」 そう言って、葵は空を見上げた。 葵は中学校になったらテニス部に入ると決めていた。 単純にスコートを着て、テニスをする姿に憧れていたからだ」 「そうだね。」 真白も頷く。 「早く行かなきゃ遅刻するよ」 そう言って葵は歩足を早めた。 「わぁ。桜が満開」 葵は急いでいた足を止める。 通学路の途中にある公園の桜が満開だったのだ。 「ホント。キレイ。」 真白も立ち止まり桜を見上げる。 「わっ。」 急に強い風が吹き、葵は思わず声を上げる。肩より少し長いストレートの髪が風に揺れる。 「もう、髪の毛ぐちゃぐちゃ。」葵は、今朝セットしたばかりの髪の毛を手で直しながら、公園を見渡した。 「あれ。」 少し先の桜の木の下で、桜を見上げて立っている男の人が見えた。 学生服を来ているから、中学生だろう。
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