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葵と瑠依は中学3年で同じクラスになり隣の席になった。
クラスが変わって最初は出席番号順に座るのだ。
葵は「秋村」で女子の一番最初。
瑠依は「麻岡」で男子の一番最初なので必然的に隣になる。
葵の瑠依への第一印象は軽いやつ。
葵のキライなタイプだった。
瑠依はサッカー部のエース。
背も高く顔もかっこ良く、モテていた。
目立っていたのでクラスは違っても葵も瑠依のことを知っていた。
葵と同じテニス部の部員にもファンはたくさんいた。
ただ、いつつも女の子に囲まれていたから葵はあまり瑠依が好きじゃなかった。
サッカー部が中学校の周りを走るときにテニスコートの前も通るのだが、そのたびに部員が練習を止めて瑠依を見るものだから部長だった葵は良く部員を怒ったものだ。
「あ~ぁ。この席最悪。」
隣を見ると瑠依は気持ち良さそうに寝息を立てている。
「朝練で疲れてるのかな」
何だか寝顔は可愛かった。
でも、葵は瑠依に話しかけられても、そっけない素振りをすることが多かった。
「なぁ。葵。」
いつのまにか起きた瑠依が話しかけてくる。
「名前で呼ぶのやめて欲しいんだけど」
「いいじゃん。友達なんだし」
瑠依は眠そうな顔でゆう。
「ダメ」
「ケチ。葵って俺のことキライ?」
瑠依が突然聞いてきた。
「かもね。」
そっけなく葵は答える。
「ひでぇ~」
瑠依は大げさに悲しそうな顔をするとまた寝息をたて始めた。
「へんなやつ」
そういって、葵はそっと窓の向こうに目をやる。
校庭の桜が、散り始めていた。
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