葵とキミ

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月曜日。 筋肉痛もだいぶ和らいでいた。 天気も良く、葵たちは久しぶりにテニスコートで練習が出来た。 とはいっても、葵たち1年生はやはり球拾いなのだが。 それでも、ツライ練習を一緒に乗り越えてきたことで、部員みんなの絆は確実に強まった。 おかげで、前以上に楽しく部活を過ごすことが出来ていた。 大友先生の言っていたように、室内練習で基礎体力がついたのか、毎日のランニングもかなり楽に走ることが出来るようになっていた。 ランニング中に何度か瑠依とすれ違うことがあった。 夏は瑠依に出会うたびに喜びまくっていたが、葵はほとんど気にしていなかった。 夏に関しては、教室で毎日会えるのだから、何が違うのかと不思議ではあったが、 夏が言うには制服姿と走っている姿はまた別の感動があるとのことだった。 教室のカギを返すときも、はじめの頃は何度か瑠依と出会っていたが、次第に出会うこともなくなっていた。 時々、校内で見かける瑠依はいつも女子生徒が周りにいる。 そんな印象だった。 毎日が忙しく過ぎていく日々。 勉強も部活も大変なことは多かったけど、それ以上に毎日楽しかった。 あっという間に期末試験が終わり、夏休みを迎えた。 ついに中体連だ。 3年生の先輩と一緒に部活を過ごすのも、中体連まで。 葵たちは、声が枯れるまで一生懸命先輩達を応援した。 結果は、団体戦で4位。 個人戦では木村先輩と前田先輩のペアがベスト8に入った。 区大会では、団体戦、個人戦共に3位までのチームが市大会へと進むことが出来る。 葵たちの中学校は残念ながら市大会へと進むことは出来なかったが、全力を尽くした結果なので、みんな満足していた。 誇らしげにしている先輩達を見て、葵はテニス部に入って良かったと、心から思った。
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