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ふと、端末機をもう一度見返すと、いつの間にか日付が今日に変わっていた。
「やっと配信されたな。」
店員は一息つく。
「じゃあ、ジャパンタイムズ、買おうかな。」
響は端末機に100円を投入し、ジャパンタイムズの文字に触れた。その後、タッチパネルの左側にあるDBポート{※デジタルブレインポート:電脳と周辺機器を結ぶインタフェース規格。あらゆる機器と接続でき、機械化した脳に情報を送れることが出来る}を伸ばし、首の後ろにあるインタフェースに繋いだ。それと同時に情報が頭に流れこんでくる。
タッチパネルに、送信終了の文字。
響はポートを抜き、今度はそのデータを開いた。目の前に半透明の画像が現れる。未慣れたジャパンタイムズの一面だ。
「ジャパンタイムズ、2060年5月21日配信。」
響はわざとらしく日付を呟く。
「さて、今日の一面は…、」
突然、響はだまりこんだ。
「どうした?」
店員は眉を潜ませる。しかし、響は黙々と記事を読んでいて反応しない。
数十秒後、響はファイルを閉じ、店員を見た。
すごく苦笑いをしている。
「"BOUS(ボウズ)"が…掴まったって…」
その数秒後、店員の叫びがコンビニ内に木霊した。
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