15人が本棚に入れています
本棚に追加
「聞いてたんと違う!」
「逃げるか?!」
残っている二人の鴉たちは逃げ出そうとするが、若葉と晃作は、それを逃さなかった。
「行くよ、晃作!」
「了解!」
二人は、左腕の装甲にある『F』と『A』のキーを押し、確定させると空中高く飛び上がると、急降下しながら力強く叫んだ。
「ディー・スパイク!」
それぞれの必殺キックが炸裂…
鴉たちはその場に倒れて沈黙した。
若葉と晃作がディーンシステムの装甲を解除すると、ジャスティスから降りてきた塚地が息を切らしながら駆け寄って来た。
「はぁっ、はぁっ…二ノ宮、榊。
ご苦労だったな。
後は俺たちに任せてくれ。」
特殊な位置付けにあるらしい若葉と晃作に早く立ち去って欲しいのか、塚地は声を裏返させながら言う。
だが晃作は、ポケットから封筒らしき物を取り出し、それを塚地に渡した。
「ああ、そこに書いてある通りなんで。
今日からよろしく!」
封筒の中にある書面に書かれていたのは、若葉と晃作がGナイツに転属する旨を知らせる物だった。
「お前たちが…私の指揮下に?」
ムッとしながら晃作を睨み付ける塚地。
そんな塚地に晃作は、ひょうひょうとした口調で返した。
「Gナイツの活躍の乏しさが問題視されてるみたいだよ。
ディーンシステムの性能云々じゃなく、別の部分でね。
それを監査すんのが俺たちの役目…って訳さ。」
「むむっ…」
塚地は、全く面白くなさそうな様子でそっぽを向いてしまった。
倒れている鴉を、かがみこんで眺めている若葉は、ふと口にする。
「やはり、デックシステムの技術が流用されているな。
…となると、この集団の首謀者はおのずと見えてくる…訳だ。」
国防軍本部・ベイステーションに帰還した若葉、晃作、塚地は、カムイに特殊強化服の技術をもたらした人物を特定…
その人物のもとへ向かった。
最初のコメントを投稿しよう!