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「キャ!ご、ごめんなさい!」
可愛らしいシスターだ……。
ぶつかったとき、ドロップは一目見てそう思った。
ここはセントラルケイジ、通称『檻の街』だ。四つの大国に囲まれてできている国。だからそう呼ばれている。多方面に面している結果、貿易が盛んに進んでいて、その故かここには様々な人間が住んでいて老若男女善悪問わずに暮らしている。
ドロップがこの国に訪れたのもそのためで、金儲けをしようと、祖国ビジニスから単身渡航してきたのだ。
やはり四国の入り交じる国であるからか、様々な人種が入り乱れ、賑わっていた。
自分もその賑わいの一つになるため、商売を始めるための借地を訪ね歩いていた訳だが、丁度その曲がり角を曲がろうとしたときに先刻の事実が出来上がったのである。
「大丈夫かい?」
見惚れていたことに気づいて我にかえり、ドロップは屈んで目の前の少女に手を差し出した。
ローブ姿の少女は手を取り、佇まいを正した。
見たところローブは防寒用で、風を通す作りではないとドロップは職業柄判断した。
少なくともこの地域は亜熱帯。少しでも北西に近付けば砂漠と熱帯雨林がまっているのに全身を被うような服を着て暑くないのか、とドロップは思った。
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