2臨海学校

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嫌な事がある時間まではとても時間の流れが早く感じる。 すぐに太陽は月とバトンタッチしてしまった。            先「クジと同じ番号の奴らはペアになって番号順に並べー。」            スピーカーごしに聞こえる先生の指示に生徒は従う。 全員で127名。一人足を骨折して参加不可なので丁度偶数になる。63ペア出来るわけだ。            棗「…63。最後かあ…」 とことんクジ運が悪い。最初も勇気いるだろうけど、後に誰か来るという安心があるじゃないか。最後なんて後ろから誰も来ない。しかも終わった人達の反応次第では相当効果が変わる。            実「…ねぇ。何番?」            後ろから女声。 棗「え。63だけど…」 …あれ?どこかで見た…聞いた?名前。 名札に「新名 実」と直筆で書かれている。 実「なら私とペアね。…杉本……何て読むの?」 僕の名札を見て迷う。母に書いてもらったせいか漢字で書いてて「棗」というのが読めないようだ。            棗「…なつめ」。 !! 思い出した。茂がかわいいって言ってた子だ…新名さん。 少し大人びていて割と目立つ。
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