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コロコロと懐中電灯が棗の足にぶつかった。
茂「な…棗…!花の…」
微かに出入りする風に乗って,花の香りが飛び回る。
実「…あら?この香りは…」
「ぅ…ぅう…」
奥からすすり泣きも聞こえてきた。茂は腰を抜かしてるのか尻をついたまま祠に光を向ける。
…この懐中電灯は僕らの前のペアが落としてしまったんだろう。
ガタンッ
その光に驚いたか扉が微かに開いた。
暗くてよく見えないが,茂の懐中電灯の灯りで顔らしきものは見える。
その顔は
厚化粧をした織田裕二の顔が…
棗「貴様かぁぁぁ!!」
実「棗君!?懐中電灯の電池を何でその人の鼻に積めてるの?!…ああ!!無意味に胸のボタンが光始めた…!!」
織「ま…待て!落ち着くんだ!!僕はけして怪しいものでは…」
棗「貴様から怪しいを抜いたら酸素と二酸化炭素しか残らねぇわ!」
茂「?なんだこの瓶…」
中は紫色の液体。
「消臭たまご(ラベンダー)」
棗「これ僕の家にあった奴!?…ってお前臭っ!!ラベンダー臭い!!寧ろトイレ臭い…!」
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