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ぴちゃ…ん、ぴちゃん…
雨が上がり僕は目が覚めた。
別に雫の音で目が覚めた訳ではない。
トイレに行きたくなってしまったのだ。
「…行きたくないなぁ……」
時計は午前二時を過ぎている。夜中のトイレはどこか不気味で嫌だ。しかし小学四年になって親を呼ぶのも嫌だ…。隣で寝ている妹を起こすのも情けない。
…すぐ行けば…怖くない!!
自分に言い聞かせながら部屋を出る。母はパートでいなく、父の鼾が廊下に響く。
自分の足音が軋む…。
余計に鼓動が高鳴る。
「!?」
細く差す光。トイレのドアから漏れた光だ。
カタカタといるはずのない人の気配が確かにする。
ごくっと唾を飲み、そっとドアノブに手をかける。
ガチャ!!
勇気を振り絞りノブを捻り、ゆっくりと扉が開く。
そのドアの向こうには、
セーラー服を着た、織田裕二が…
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