拓馬の章 1

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 朝から夜まで様々なバイクを整備するのが俺の仕事である。  専門学校を卒業したはいいものの就職難の時代でどこのバイク屋も雇ってくれるところがなく、途方に暮れていた俺を雇ってくれたのが今の仕事場の社長だった。  高校時代の同じクラスだった宮野春奈さんの親戚で、そこに勤めていた彼女に推薦してもらったのが雇ってくれた一番の理由だろう。  社長は経験も少ない免許取り立ての俺を、一から整備について教えてくれた。宮野さんには本当に感謝している  景気も普通の店であったが新車や中古車の仕入れはよかった。街中にあるおかげで、お客も結構来ていた。    整備士になろうと思ったきっかけは、自分のバイクに乗り始めてからだ。バイクが壊れたときは、店に頼んでいたが、直しているのを見て自分で直したいと思い、専門学校に入ろうと思った。
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