序章~人形ごっこ~

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息苦しくて、生き苦しい。 外れるには狂うしかない。 螺旋・筋書・決定・拘束のため。 僕と君と彼と彼女と誰かが繋がっているのに、繋げているのは違うモノ。 僕は盤上の駒の様に決められた動きで、導かれた場所へ行く。 プレーヤーは誰だろう? 神か?悪魔か? 概ね『主』位の表現が的確だろう。 狂って輪廻を回り、 壊れて筋道を歩き、 笑って大衆に従い、 死んで束縛に囚われる。 人間は人間で有る限り誰かの偽物、レプリカ。 只の造られた人形。 誰かの真似を為、誰かの道を辿り、誰かの模造品になる。 何だか其が嫌だったから、狂ってみました今日この頃。 社会から外れ、 法律から逃れ、 裏路地で固まる。 誰とも接しず、触れず、話さず。 一人、独り。 孤独に狂う…………筈なのに、 君は現れ 僕と接し 僕と触れ 僕と話す 「僕の親友になって」 ハハッ………君はいったい何の模造品?誰のレプリカ? 「構わないよ」 でも、偽物らしきモノは偽物を動かした。 「今日から君は親友だ。守ってあげるよ。親友だから。」 裏路地にポツリポツリと雨が編んで降ってきた。雲の様子から酷い降りになりそうだ。 「取敢えず、傘を差そう。」 「取敢えず、傘を刺そう。」 僕と君の『ごっこ』が始まる。
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