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「イエ…ロー?」
俺、レッドはそんな分かりきった事を呟いた。
今、俺の目の前にはとある少女が眠っている。
先刻呟いた通りイエローだ。
彼女は地べたに座り込み、上半身は木に寄りかかっている。
いつも被っている体に不似合いな程大きな麦わら帽子は、彼女の傍に転がっている。
そのため特徴的な黄色のポニーテールは無造作に地面に垂れていた。
「まったく……朝の稽古でトキワの森に来てみればこんな所で寝てるなんてな。」
まぁ、イエローらしいか。
一人で納得すると俺はいつも着ている上着を脱ぎ、イエローに掛けた。
その時、至近距離でイエローの顔を見た。
かわいい。
そうとしか思えなかった。
無防備だからこそ……
イエローだからこそ出来る汚れなき純粋な顔……
「でも、ちょっと無防備すぎるぜ。」
俺は口元を歪めて更に顔を近づける。
そして……そのままイエローの額に軽く口づけした。
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