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ほんの一瞬……それも触れたかどうかでさえ定かで無いキスだったが、俺を爆発させるには十分だった。
俺……変態じゃねぇ?
顔が暑い……。
何が『無防備すぎるぜ。』だよ。
あぁ、自分でもわかる……顔が真っ赤だ。
寝ている人に口づけなんて……
もし、あんなところ誰かに見られたら……
もう駄目だぁぁああ!!
俺は堪らなくなって走り出す。
イエローに掛けた上着を置いて……
「はぁはぁはぁ。」
息が半端なく切れる。だがこれは走ったからだけでは無いだろう。
「俺って卑怯者だな。」
起きてる時に出来ないからって寝ている間にキスをして。
更に上着まで置いてった。
あの上着は決してイエローの健康を気遣った訳ではない。
ただ知って貰いたかっただけだ。
俺がここにいたって事を……
俺は最低だ。
だが最低な俺はそれでも笑っていた。
歪んではいたが、イエローの事をそこまで想っていた自分が少し誇らしかった。
いつか……しっかり告白しよう。
勿論イエローが起きている時に。
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