とある少女の睡眠時間

3/4

91人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
  ほんの一瞬……それも触れたかどうかでさえ定かで無いキスだったが、俺を爆発させるには十分だった。 俺……変態じゃねぇ? 顔が暑い……。 何が『無防備すぎるぜ。』だよ。 あぁ、自分でもわかる……顔が真っ赤だ。 寝ている人に口づけなんて…… もし、あんなところ誰かに見られたら…… もう駄目だぁぁああ!! 俺は堪らなくなって走り出す。 イエローに掛けた上着を置いて…… 「はぁはぁはぁ。」 息が半端なく切れる。だがこれは走ったからだけでは無いだろう。 「俺って卑怯者だな。」 起きてる時に出来ないからって寝ている間にキスをして。 更に上着まで置いてった。 あの上着は決してイエローの健康を気遣った訳ではない。 ただ知って貰いたかっただけだ。 俺がここにいたって事を…… 俺は最低だ。 だが最低な俺はそれでも笑っていた。 歪んではいたが、イエローの事をそこまで想っていた自分が少し誇らしかった。 いつか……しっかり告白しよう。 勿論イエローが起きている時に。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

91人が本棚に入れています
本棚に追加