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「ルビー、誕生日おめでとうったい」
ソファーで本を読んでる僕の耳にそんな声が入ってきた。
本で顔は見えないが、相手はサファイアだろう。
いや断言できる、サファイアだ。
彼女の声ならどんな時でもわかるだろう。
それほどまでに想う、愛しい君……
蒼い瞳をした君……
本を閉じるとやっぱり目の前にいた君……
「ルビー、誕生日おめでとうったい」
彼女が再び言う。
ああ、そうか今日は7/2、僕の誕生日だ。
「もしかして忘れてたと?」
彼女は鋭い。
僕が君の事を知り尽くしているように、
君も僕の事を守る知り尽くしている……
「まあ、誕生日何てどうでも良かったしね。」
読んでいた本を机に置きながら僕は言う。
「なして?」
君は首を傾げる。
「物心ついた時から誕生日にだって父さんはいなかったんだ。そしてその事でママは悲しそうな顔をしてた……」
ああ、僕は一体何を言っているんだろう。
こんな誰にも言ったことのないことを……
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