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「そりゃ、たまたまだろ。」
俺の皮肉も軽く流される。
「いい運動して、腹が減ったな。飯にしようぜ。」
そう言って先輩は俺に手を差し出す。
だが、あまりの実力差にうちひしがられていた俺にはその優しさが逆に気に触った。
哀れまれているようで……
俺は差し出された手を叩き落とすと、自力で立ち上がり毒づいた。
「飯なら勝手にやってください!」
それだけ言うと俺は先輩に背を向け、歩き出した。
俺はバカだ。こんなのただの八つ当たりじゃねーか。
そう思ったがもう遅い。言ってしまった事は取り消せないし、動き出したこの足は止まらない。
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