91人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
馬鹿みたいに広いトキワジムの中で、俺グリーンは座禅を組んでいた。
身動ぎ一つせず、呼吸も大きくそして静かに行う。
そうする事によって自然と言う名の大きな力の流れに身を置き、一体化することが出来る。
はずだった。
すでに俺は集中力が途切れている。
何故なら……
――パシャッ、パシャッ――
目の前でブルーが写真を撮っているからだ。
「やめろ」
俺は仕方なしに言う
「あら、もう集中力途切れたの?あんたもまだまだね。」
ちっ
心の中で舌打ちする。
誰だって目先50センチでフラッシュたかれたら集中力も途切れるだろう。
「で何がしたいんだ?その写真」
そういえばこいつはいつからいたんだろう?
座禅を始めた時にはいなかったが
「ごめんね。グリーンがかっこよくてつい……」
情けないとさえ思える声で言う。
最初のコメントを投稿しよう!