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「はぁ、まったく『あいつ』はどこにいるのよ。」
コガネシティのはずれにある静かな草むらの近くで私、クリスタルはため息混じりに呟いた。
今日は7月24日『あいつ』の誕生日が3日も過ぎてしまった。
「そもそも『あいつ』は何なのよ!ポケギアも通じないし、家にもいない。おかげでジョウト中を回っちゃったじゃない!」
私は一人で憤慨する。
……あぁ、虚しい……
もともとはこんなに何日も探すつもりなかったんだけど……
思い当たる場所を探してたらこんなに経っちゃった……
こんなに探していないって事は、ジョウトにはいないのかしら?
そう思った私は、首から下がっているポケギアを手に持った。
無論『あいつ』に電話するためだ。
どうせ通じないだろうけど……
そうして登録番号を見ていくとある名前が目に付いた。
そして私は無意識にその名前を呟いた。
「ブルー……先輩。」
自分の直感が告げている。
彼女なら知っていると。
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