第三章・襲来

3/5
前へ
/58ページ
次へ
夕餉を食べ終わってお腹いっぱいになった。 瓜は予想どうりに甘くて美味しくて、残さず食べた。そしたら楓様は、りんは良く食べるのぅって言った。邪見様も毎日そうゆうふうに言ってたよって話したら、楓様は笑った。楓様がニコニコしてたからあたしもニコニコして、その内に眠たくなってそのまま寝ちゃった。 どれくらい寝ただろう。片目をうっすら開けるとまだ夜は明けていないらしい。だけど、辺りが騒がしい。いつもと雰囲気が違うからおかしいと思って慌てて外に出たら、村の人達が楓様の家の周りや鳥居の辺りにいて怯えていた。何事かと思ってまだ覚めない頭を振ったあとに周りを見た。そしたら、沢山の妖怪がうようよこっちを向いて蠢いている。びっくりしたけど、妖怪はこっちを見てるだけでこようとしない。 よく見てみると妖怪を前に楓様が座っていた。状況が全く理解できなかったから、キョロキョロしてると、飛来骨っていう大きな武器を持った珊瑚様があたしの肩に手を乗っけていた。 「珊瑚様……」 「さっき、妖怪がこの村を襲いにきたんだ。 今は結界で守ってるから大丈夫だよ」 それでも珊瑚様は臨戦体制だった 「楓様大丈夫かな?」 「妖怪が来すぎてる。ちっ、法師様と犬夜叉がいない時をねらったか」 珊瑚様はギッと妖怪を睨みつけると、結果から駆け出しそうな体制になったから、あたしは思わず珊瑚様の裾を握る。 「どうしたの?りん」 「珊瑚様だめだよ。 赤ちゃんが……」 「でもね、みんなが襲われちゃいけないだろ?」 妖怪達がしつこく結界に体当たりをしている。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

346人が本棚に入れています
本棚に追加