第三章・襲来

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ずっと楓様は結界を張っているらしく、疲れていそうなようすだったから、体当たりされる度に眉を潜めていた。結界が弱くなった所から入ってこようとする珊瑚様が飛来骨を投げて倒す。 その時に、体制を崩した珊瑚様はグラリと倒れてしまった。 「つっ………」 珊瑚様はお腹を押さえながら、冷や汗をかいていた。痛そうな声をあげて息が荒くなってきている。 「珊瑚様っ!?」 それでも、痛そうに唸りながら肩で息をしている。前に、今の時期は安静にしなきゃいけないんだって聞いたのを思い出して、このまま赤ちゃんに何かあるかもしれない、珊瑚様に何かあるかもしれない、不安になってきて、珊瑚様の背中をさすってあげた。 でも、冷や汗は止まらない。だから、近くにいた村の人と一緒に珊瑚様を楓様の家に、さっきまで寝ていた場所に寝かしてあげた。 このままじゃ、駄目だ。だから、楓様の隣にいって、犬夜叉様と弥勒様を呼んでくると言った。 楓様は驚いた顔をして、いかん って言ったけど、珊瑚様も楓様も村の人達も傷ついてほしくなくて、森のほうに向かった。幸いな事に森の方は妖怪はいなくて無我夢中で走った。もう一つ、山を超えた場所に犬夜叉様達はいるという事だけを頼りにただ暗い森の中を走っていく。 何かにつまずいて転んだ。その時に、息ができなくなるほど、息が上がっていた事に気が付く。そして、足は痛くて、小さな石ころが刺さってて血が出ていた。 「犬夜叉様、弥勒様、」 立ち上がってまた走らなきゃと思ったけど、足腰は力が入らないほどにくたびれていた。一度痛みに気が付くとズクズク痛んで歩きもできないほどである。
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