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高校の時、寄ってくる男は兄みたいな人が多かった。
そして、それに嫉妬する『汚い女の子』。
私はそれを冷めた目で見ていた。軽蔑の意味を込めて。
表面上は大人しく綺麗な女の子を演じてたけれど、誰も気付かなかった自信がある。───のに。
仲が良くなった人だっていたけれど、私はそれでも全てを打ち明けれることは出来なかった。
自分を演じることで、本当の自分は見失った。
「真夜ちゃんは怒ったりしないけど、凄い楽しそうな顔もしないね。
ちゃんと本当のこと言わないと、いつか友達いなくなるよ。要領がいいのと性格がいいのは違う。」
いつか言われた、感の鋭い女の子からの氷のような言葉。その子はきっと、私のことが大嫌いだった。
誰にでも分け隔てなく、優しく明るく、いつでも自分の言葉を言う子。
そんな子に嫌われたことは想像以上にショックだった。
まさか正面で言われるとは思ってもみなくて、最初から苦手だったその子がそれから更に怖くなった。
気付けば、その子と仲の良かった子は私を避けるようになっていたけど、それも、だって高校で終わり。
大学に行けばきっと楽しいキャンパスライフ。
勉強も人一倍は頑張ったので、上位で上位の大学に入ることが出来た。
地方からだったため、一人暮らしを余儀なくされた私は、祖母が昔言った言葉の後押しで駅の近くのマンションを借りた。
「離れても一緒に遊ぼうね」
なんて言ってくれる友達は出来なかった。
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