#3 黒いボール

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「あ、薬飲んだらケーキ食べる?」 「うん。」 すると…俺は見てしまった。 奥の棚に立て掛けてある 仲良さそうに並んで笑ってる 4人の男女の写真と、 その前に、 黒くなっている ボールのストラップが 飾ってあるのを。 「ケーキ食べよ。」 「えっ?う、うん…」 俺はあえて聞かないことにした。 その写真の一部が 焼き焦げてなくなっていたから…。 「ごめーん!!遅れたー!!ジュンロ大丈夫ー!?」 「ジュンスうるさい。病人いんだぞ。」 「俺が看病してやろうか?」 「ダメ!!ユチョ兄すぐ手ぇ出すから!!」 「はぁ!?出さねぇよ!!ユノも頷くな!!」 「ご、ごめん…」 「どうやら静かにはできないみたいこの人達。」 「みたいだね。」 俺とジュンロは呆れながら笑いあった。 そして俺たちは 共に笑い過ごすんだ。 彼女に辛い過去が あったことも知らずに…
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