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それは、黒い箱だった。その色彩によって、重みを感じさせていた。
その箱は機械的な電子音を発していた。
とっさの判断だった。僕は絵里加をかき抱くと、ベッドに潜り込んだ。ベッドの中で強く彼女を抱いた。
突如、飛び込んできた、黒い箱は光を放ち、爆発を起こした。それによって、居間のほとんどが吹き飛んだ。
熱によって、天井に取り付けられていた、スプリンクラーが作動する。
火は瞬く間に消えたが、居間には焼け跡が残った。
噴射される水によって、僕たちはずぶ濡れになった。
僕は、震えが収まらない濡れた絵里加の体を抱き止める。
目の前には、焼け焦げた、カレーの鍋が転がっていた………
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