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「すいませんねぇ、大家さん…」
「いいのいいの。気にしないで!」
真人と大家さんの会話。私はただ、それを聞いていた。
真人は大家さんの息子さんと一緒に荷物を運び込んでいた。それも、自分の部屋に私の荷物を…
私は大家さんと並んで、その光景を見守っている。
「うちのアパートが満員のばかりに…ごめんなさいねぇ…」
「いえ、いいんです…」
私は苦笑いした。前にも、真人から聞いていたけど、大家さんは本当に人が良かった…
「もう少しで終わるから!」
「うん…」
真人は私を元気づけるかのように、叫んだ。
「一体、どういう状況だったんだい?詳しく話して…」
「僕が彼女のアパートに…」
真人は混乱して話す事も、ままらない私の代わりに状況説明していた。相手は言うまでもない、警察だ。
私の部屋に投げ込まれたのは、自動発火装置だったらしい…
おかげで、居間に置いてあったものは、ほとんど駄目になった。
しかも、私は退去を迫られていた。
結局、真人と私は学校を休み、テストは補修に回されてしまった。
「絵里加!荷物運び、終わったぞ?」
真人が部屋が見つかるまで、泊めてくれると、言ってくれてよかった…
ある意味、嬉しかった。初めての同居だったから…
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