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午前5時。
陽が上がってまもない時間にそっと辺りを見回しながら家の門を出ていこうとする影。
「……よし」
「何が『よし』なんだろうねぇ?ゆなちゃん」
ハッ…と、後ろを振り返る少女。
「げ、蓮…」
「どこに行こうとしてる?」
口ごもる柚南。
「言って、ゆぅ」
そんな柚南の様子などお構いなしな蓮。
「…雛ちゃんと買い物」
「ふ~ん、水原か。
なら、今日はキャンセルしてもらわなきゃな…。雛より俺らが優先だよ」
「蓮、僕は稽古してたのにいきなり連れ出すもんだから、父さんが怒ったじゃないか」
「遅ぇよ、柊(しゅう)」
「あぁ、ごめん」
……って、なんで自分が謝る羽目になっているのかと疑問に思う。
2人が話している間に柚南はそっとその場から逃げた…。
………はずだった。
「こないだ約束したよな?久々に3人でどこか出掛けようって」
「言ったっけ…」
「言ってはいたよ。でも今日だとは僕もさっき蓮に聞かされてね、急いで準備してきたんだから」
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