第1章

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「あれ~?言ったはずなんだけど」 白々しい。この上なく。 「とにかく!あたしは雛ちゃんとこいく。 いってきま」 次は腕を柊に掴まれた。 相当変な顔をしたと思う。 「でもね、今日は蓮に付き合ってやろうね。 今日は蓮の誕生日だから」 「去年は忙しかったからすっかり忘れちゃってたもんなぁ」 「だから。 誕生日くらいは付き合ってあげようと思うんだけど」 言葉を途中で間を置き、柊が柚南に耳打ちをする。 「ねぇ、俺抜かして話進めないでよ」 「どうする?ゆぅ」 顔を離して聞いてくる柊に。 「…わかった。んで、蓮。行き先は?」 「新撰組歴史巡り。 流離いの旅の予定」 さすらい。つまり。 「予定とかじゃないじゃん!」 行き当たりばったりの旅。 歴史巡りなんて行ったら体力が尽きるまで付き合わされる。もちろん柚南ではなく、蓮の。 「1日に日本全土をまわれるわけじゃないんだから」 こう言わなければ本当に全国至る所に連れ回される。 「ハァ…。ゆぅはせっかちなんだから。 もう少しぐらいのんびりしてたっていいんじゃないかな」 大袈裟なくらい首を振る。 「ほら、行くよ!!ゆぅ、柊」 「行きますか」 「あっ、待って」 行ってしまう2人を慌てて追いかけた。 .
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