4月1日

2/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
今日はエイプリルフールです。 俺も朝から同僚に騙されました。 なので腹いせに、上司のアルケイン様に嘘をつきたいと思います。 まず準備する物。 絵の具。 綺麗な水。 ワインの空ビン。 最初に絵の具で赤紫を作ります。 それを水に溶かします。 その色水をビンに入れます。 完成! さて、これを普通に閣下に差し上げたいと思います。 「閣下!先の砂漠での戦闘、お疲れ様です!いつもの如く素晴らしかったです!」 「おぉ、これはワインかい?」 「はい、差し入れです!」 絵の具水と知らずに嬉々とするアルケイン様に若干罪悪感を感じつつ(でも好奇心に背中を押されて)近くにあったグラスにワインを注ぐ。 「どうぞ、閣下。」 「………これは!」 やっぱバレたかー、とネタバレしようとすると、キラキラと素晴らしい笑顔を向けられた。 「不思議な香りのワインだね!」 「へ?」 いやいや、もっと根本的なとこを不思議だと思って! 「味も…これまた不思議だ!」 「は、はぁ…お気に召されたのなら…光栄です…」 馬鹿だ!絶対に!てか飲んじゃった!絵の具って飲んでいいの!? 脳内では床を叩いて爆笑しつつ、アルケイン様には微笑を向ける。 「では次の戦場でのご活躍、楽しみにしていますね?」 「ありがとう、僕も期待してるよ。」 ゆっくりとあとずさって部屋から出る。 笑いをこらえるために噛んでた頬がいい加減痛い。 そのあと自分の部屋に戻って枕に向かって(笑い)泣いた。 結果:全く気付きませんでした。 まぁ知らない方がいい事もありますよね。 アルケイン様は不死ですから別に構いませんが、一般国民の方は危険ですので真似しないで下さい。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!