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「…あなたたち、このおとしまえ、どうしてくださいますの?」
小さな女の子が深く土下座する大柄の男たちに静かに言葉を放った。
その言葉ひとつひとつに威圧感がある。
「も、申し訳ありません!お嬢!」
「この失態で、わたくしのお父様のお顔に泥をつけたことになりますのよ!」
金髪でツインテール。
見た目は小学生に見えるほど、小さい。
この男たちがその女の子に土下座している光景を見ると、目を疑うだろう。
「三坂珠紀一人だけだと見くびっておりやした。あいつのそばに男がいやしたんす!」
「あの女に…男…?興味がありますわね…」
「な、なりません、お嬢!さすがのお嬢であっても、危険だ!」
すると、一人のメガネをかけた男が綾乃に耳打ちした。
「綾乃様。どうやら今回の任務、お頭様は何も知らなかったそうです」
「なっ!?…では誰が任務を任せたのですの…?」
「…誰かが裏で手をひいているかと考えます」
「…ぷはー!食った食った!今日もおいしかったぜ、蝉香!」
夕食を食べ終わり、お腹をさすりながら俺は言った。
「……」
無視ですか、蝉香さん…
「おにぃさま、お行儀が悪いです」
風香まで……(悲)
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