約束『 』

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「だ、ダメだ!入るわけないだろ!」 「むーっ!ケチぃ!」 さらにほっぺを膨らませる。 夕食を片付け、風呂に入り、自分の部屋に入った。 「はぁ、明日、か…」 自分も心配し始めてしまった。 あの頃と同じように接することはできるのかと。 そして…約束とはなんなのかを… 考え事をしてると睡魔が襲う。 ゴソゴソッ… 「……ん……?」 目を覚まし、目を開けると、布団が二つの山ができている。 その左右の山がゴソゴソ動いた瞬間、お腹に何か絡まってきた。 …そのまさかだ。 「……蝉香、風香?」 蝉「はにゃっ、起きてたの!?」 風「はうっ、起きてたんですの!? 布団の中からもごもごした声が聞こえ、顔を布団から出した。 俺の顔の左右に妹たちの顔が。 二人から甘い香りがする。 「ったく、おまえら…」 両手で二人の頭をぐしゃぐしゃに撫でる。 蝉「一緒に寝ていいよね?」 風「一緒に寝ていいですよね?」 小さな声で言う。 「わーったよ、いいぞ、だけど今日だけだぞ」 どうせ拒否しても意味はないだろうと思い、了承する。 蝉「ありがと、大好き、おにぃちゃん!」 風「ありがとうございます、大好きです、おにぃさま!」
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