vol,0

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「あたしさー、赤也の彼女になりたい。」 さらっと言うから、いつもみたいにうんって頷いた。状況を理解するのにそんなに時間はかからなくて、3秒後に俺は絶叫する。 そんな大声のせいで驚いたのか数羽の鳥がバタバタと威勢良く飛んでいった。事の原因である張本人はというと、両耳を手で押さえて黙れなんてキレ口調。 いつだって自由に生きる性格が憧れでもあり、尊敬もしていた。そこが好きなとこでもあった。 一緒にいれば飽きないし常に新鮮で、むしろずっと隣りにいたいと思うようになった。 俺だけだと思ってた、好きって意味が“LIKE”から“LOVE”に変わったのは。 だからここずっと、授業中に居眠りするほど悩んでたってのに(考え過ぎて夜寝れねーってことにしとく)。 「ふーん…嫌、なんだ?」 答えに詰まっていると、なんだか機嫌の悪そうな声色。相変わらず無表情な顔は何を考えてるか分からない。 「俺…なんかでいいのか?」 少し謙遜でもしてみる。 本当はすぐにでもOKしたいとこだが、俺にとっちゃ夢みたいな話。冗談だったらまじで笑えない。 「なんか、じゃない。 赤也だから言ってるんだぞ?」 分かる?って首を傾げた顔が少女マンガ並みに花を背負ってヤバい可愛くて。 本能に従うままガバーッと抱き付くと、プロレスラー級のアッパーが飛んできた。うん…夢じゃないらしい。 今度は喜びを込めて絶叫(?)すると、死ねという台詞と共にすねにキックをお見舞いされた。 うっ…やっぱり夢ではない。
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