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「異界の扉ってあるだろ、あの大きい扉。アレの向こう側に行ってみようと思ってさ。」
「あの異界の扉?あのさぁ、あの扉が開くわけないでしょ。それに向こう側に何があるかなんてわからないんだから…で、実際は何をしに来たの?」
クレタの話をマヒロは一切信用していないらしく、深い溜め息をつくとあきれたような目でクレタを見つめていた。
「いや、実際に行くからクロノも外出準備してくれていたわけだし、なぁクロノ?」
「まぁね、僕はクレタの話を信じてる、それに面白そうだから一緒にいくわけさ。」
おそらく面白そうだからというのが本音だろうが、クロノもマヒロに向かって話すと少しは信じてくれたようだが、マヒロは少し苦い顔をした。
「でも、実際に行けるの?あそこは国が管理してる扉よ、通るとしたら許可をもらわないといけないじゃない。」
そう、実は扉は開かないと言っても例外があり、国から許可が降りればあの門は開くのだ。
数百年開いていないと言ってもあくまでも公の場に限った話で過去に数回門は開いている…らしい。
「あぁ、それなら大丈夫だ。実はちょっとしたコネがあってな、すでに行けることになっている。」
「コネって…あぁウチの学園の理事長辺りならコネがありそうね、そういえばなんだかんだでアンタ達二人は理事長に気に入られてたし。」
「王国魔法機関付属学院ジェラールの生徒様々ってヤツだな。」
「自宅謹慎のハズの生徒が開き直るな!!」
マヒロは開き直ったクレタの頭を殴り怒鳴った。、ここで大変な事態が起こった。
考えてみよう、クレタは深夜にここに来た。そして三人で話している最中に何度か叫び、壮大な音が響いた。そしてここは寮の目の前。
当然人が寝ている、いや…寝て [いた]。
「誰だぁ!!こんな深夜に外で騒いでいやがんのは!! クロノに…クレタ!!貴様らかぁ!!」
当然寮のドアから竹刀を手に持った人物、寮長として寮を管理している草壁寮長が出てきてしまった。
どうやら深夜に騒いだことと無断外出をしていることがわかり相当ご立腹のようだ。
「しまった騒ぎすぎた。逃げるぞ、クロノ、マヒロ」
「うん、そうだね。急いで逃げよう!!あの先輩に捕まると面倒だし」
「もー、なんで私まで。」
クレタは魔動バイクに跨り、クロノがその後ろに飛び乗ると一気に疾走させ、マヒロは足に魔力を込めると走りはじめた。
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