プロローグ

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深夜、夜の帳の中で金属と金属のかすれる小さな音が聞こえた。 音は休むことなく鳴り続けたがドアを開ける音がすると金属音は止んだ。 それから数分後…鼓膜を破るような警報が鳴り響き警備員が駆けつけると異変はすぐにわかった。 「無い…無いぞ、金庫にあったハズの金塊が全て無くなっている!!」 「そんな馬鹿な、ここの金庫の鍵が開けられるなんて!!」 そこには鍵の開けられた金庫があり中には何も入っていなかった。 警備員達がパニックになって騒いでいると、闇の中から一人の男が現れた。 月の逆行で姿はわかっても表情は伺うことはできなかったが、一つだけわかることがあった。 窃盗犯はコイツだと… 「オイ、貴様何をしている」 「何って夜の散歩に決まってんだろ?」 一人の警備員の呼びかけに応じる少年の手を見て黙って警備員達は剣や魔法杖に黙って手をかける。 それもそのはず、彼を窃盗犯だと思う理由は彼が盗まれたハズの金塊を握り締めていたからである。 そんな窃盗犯に容赦はする必要はない、警備員達は剣や魔法を使い飛びかかった。
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