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クレタは等身大にまで大きくなった鍵を片手で魔動バイクの前に突き出す。
更に魔動バイクのアクセルを強くひねり勢いを限界速度まで上げて詠唱した。
「我望む。壁にて繋ぎ我の世界を!!」
クレタが魔法詠唱をすると、鍵の先端から一筋の光が放たれて目の前の空間を歪ませた。
クレタは迷わずに歪んだ空間に魔動バイクで突っ込むと、先ほどとは景色が一瞬で変わり、変わってとある建物の前に転移していた。
転移魔法、俺の使える数少ない魔法のうちの一つ、目的地にマークをしておくと一瞬で目的地まで行ける便利な魔法だ、そして俺が向かった先は…
ここはクレタが通っていた学校の寮の前、クレタは魔導二輪を停めると等身大だった鍵を元のサイズに戻して魔導二輪を鍵で叩きロックをかけた。
クレタは寮の中へと入り目的の部屋の前にまで来たが、目的の部屋には鍵がかかっているらしく、クレタは鍵を取り出すとドアを叩き開錠した。
ちなみに先ほどの魔導二輪のロックもドアの開錠も俺の使える数少ない魔法のうちの一つだ、いや実際には俺は魔法をこれら転移、施錠、開錠の三つしか使えない。
クレタは昔から魔法の才能が低いらしく未だにこの魔法しか使えない。
クレタは自身への歯がゆさを感じ、奥歯を噛みしめるとドアに手をかけた。
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