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「やぁ、停学処分者なのに此処へ来て大丈夫なのかい?」
ドアを開けると、黒い髪を肩にかかるほどに伸ばし、顔の右半分に仮面を被っている男が俺を出迎えた。
「クロノ、バレはしなかったな…」
「そうか、ならよかったクレタが停学になってしまって僕やマヒロがヒマになってしまったからね…」
クロノは安心したようにクレタを見ると、一息ついていて微笑むと人当たりの良さそうな笑みを浮かべる。
「あぁ悪いな、それと本題だ、目的の目処がついたから教えに来たぞ。」
「もう出来たのかい、早いな…実行はいつなんだい?」
「今日の夜だ、十二時過ぎ次第行動しよう。
…何か問題でもあるか?」
クレタが今日というとクロノは驚いた後何かを考えると半分しか見せない顔を僅かに歪ませた。
「今日は…夜にデートがあるんだけどね、まあ今日決行なら仕方がない。
断りの返事でもさせてもらうよ」
「そうしてくれ、長居して寮長にバレても仕方がないからな。それと魔導二輪が見つかっても面倒だ、俺はもう行くぞ。」
そう言うとクレタはクロノの返事も聞かずに用件だけ言うと、来た道を引き返し部屋のドアから出て行き、玄関から外に出て行った。
デートの用事があったのなら悪いと思ったが、基本的に毎日女を引っ掛けているような奴なのでクレタには罪悪感はなかった。
「…そういえば、クレタすぐに行ったから言えなかったな、マヒロが心配してたって」
一人部屋で今日の夜のための準備を始めようと思ったクロノは一人呟いた。
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