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クレタは寮から出ると魔動バイクに跨りカギで叩くき、ロックを解除、エンジンを入れた。
そして動きだした瞬間、魔導二輪を横から蹴られた。
魔動バイクが横転した(注・させられた)ために跨っていたクレタも転んでしまった。
クレタは痛みを抑えながら蹴った犯人を見ると犯人に矢継ぎ早に怒鳴られた。
「アンタ何してるわけ!?停学処分って何でなの!!」
そこには金色の髪をたなびかせ仁王立ちをした、ツリ目の制服姿の女の子がクレタの魔動バイクを踏みつけていた。
「痛っ、ってなんだマヒロか、まずは蹴ったことに対して謝って…」
「あぁ!!?」
「何でもないです!!」
怒鳴る少女、マヒロはさっきのクロノ同様、クレタのクラスメイトだ。
スタイルはモデル並にいいのにキレると怖いのでクレタは損な奴だよな、と思っている。
「まぁいいわ、アンタ今まで何してたの? 先週停学になってすぐに心配になったから、寮のアンタの部屋に訪ねても鍵かかってて誰もいないし」
「なんだ、心配してくれてたのか?」
「だっ誰がアンタなのことなんか!!」
クレタがあっさりと核心を突くと、マヒロは顔を赤くしながら否定した。
しかし顔が赤いので照れ隠しの怒鳴り声だというのはクレタ以外にはわかったであろう。
「だけど心配しなくてもよかったんじゃねえか、クロノには言っておいたんだからよ…一週間ぐらいしたら帰るからって」
「え、クロノには言ってたの? なんでアタシには言ってくれなかったのよ。」
前々からそうだったがマヒロは俺を一度怒鳴ると次から次に怒鳴るため中々解放してくれないので、俺は逃げることにした。
「マヒロ、好きだ!!」
「あーはいは…!!?え、えぇ!!?」
クレタがマヒロの肩をつかみ告白をすると、マヒロは完全に硬直してしまった。
クレタはその隙を逃さず、踏みつけられている魔動バイクを力任せに引き抜き、エンジンを入れて逃げ出した。
「じゃあなマヒロ。お前のことは友達として大好きだからな!!」
クレタはそう台詞を残して、勢いよくその場を去っていった。
「…大好き…クレタが私のことを…友達として」
この後、マヒロが一人で喜怒哀楽を繰り返したのは、また別の話
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