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「待ちなさい!!まだ話は終わってないんだから!!」
クロノを投げ飛ばした人物は窓から飛び降り、軽やかに着地した。
まるでネコなどの肉食類の獣を連想させる動きだった。
そのまま連想されたネコのように着地すると、勢いを殺さぬように素早い動きでクロノ目掛けて跳び蹴りを放った。
しかしクロノはクレタの後ろに隠れていたために、クレタは横に避けることが出来なく鍵を構え防いだ。
鈍い音が一瞬身体中に響いた。
「離れろクロノ!! お前…誰だ!!」
クレタが叫ぶとクロノはその場所を離れた。
相手は跳び蹴りを防がれたことを以外に感じたのか、相手は軽く口笛を吹くと、空いている片方の足で防御している鍵の上から更に蹴りを入れた。
クレタは更に鍵を強く握りしめたが、鍵を通して身体に強い衝撃を受け握力を失った手から鍵を落としてしまった。
「しまっ…!!」
「隙ありっ!!」
当然クレタの隙を見逃すはずもなく相手はクレタの腹を正面から蹴り飛ばす。
クレタは先ほどのコーヒーが腹から少し逆流したが、慣性の法則により運よく相手から少し離れた場所に倒れられた。
「って、え?その声はクレタ!!なんでアンタがいるのよ。」
跳び蹴りをしてきた犯人、マヒロは金色の髪をたなびかせながら近づいてくるとクレタの姿をみて驚嘆していた。
「ゲホッ、それは俺のセリフだ…な…なんでお前がここにいる。」
直撃が相当効いたのか、途切れ途切れにクレタは言葉を発していた。
するとマヒロはバツが悪そうに、頬を染めながら顔を背けるとクレタを指差した。
「だってアンタのことでも話があったから聞こうとも思ったし…」
「俺の?なんで?」
「クレタは相変わらず鈍感だね、マヒロは心配してくれてたんだよ、実際にクレタが学校を停学になった後泣き…痛!!」
「余計なことはことは言わないでいいの!!」
クレタの背後から今まで隠れていたクロノが出てきて教えてくれていたが、最後まで言い切る前に顔を真っ赤にしたマヒロが仮面に拳を入れた。
すげぇな、拳の風で俺の頬が切れたぞというより今グシャリって音が耳元で聞こえたんだが。
クレタは背後を見たくなくなり、マヒロは拳を赤く染めながら恥ずかしがっている、恐怖以外のなんでもない。
「まったくクロノは。余計なことを言いすぎなのよ。…結局クレタはなんで夜中に寮に来てたのよ?」
拳を掲げながら質問してきた。これって脅迫じゃね?
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