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アリア「私…私は……」
震える声を絞り出す。
エルはアリアの後頭部に
手をまわし、自分の胸に
そっとおし当てる。
エル「無理に、話すな…」
嗚呼…
目眩がしそうなくらい、
熱く、ちょっぴり苦しい。
でもなんだか…
心底、落ち着くんだ。
エル「よく…頑張ったな…」
抱き締めたまま、
私の頭をよしよし、と
子供をあやすように、
ゆっくりと撫でる。
やさしい、
太陽のような笑顔で。
私の中に熱く
湧き上がってきたものは
留め処なく溢れ出て、
涙となって零れ落ちた。
アリア「うぅッ…ぅ…あ…!」
あぁ、またこの人の前で
泣いてしまったな…。
そして私は、そのまま暫く
エルに身を預けていた。
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