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あぁ…そうだな、
と、思い出したように
机の下を漁りだす。
(はぁ~…よかった)
こっそり心の中で安心する
オーバーオールの青年。
「ほらっ…これだ。」
ひょいっ、と投げられたモノを
上手く片手で受けとる。
「そいつを届けようと
思ってたんだ。」
それは、ずっしり重く感じる
「…なるほど。」
黒く細長い剣
「どういう訳か、
私の所に届けられてな…」
鞘から抜いて
まじまじと見て確かめるエル。
「…わざわざどーも、
師匠…?」
最後を少し強調して
言ってみせる。
「…今はもう、
そう呼んでくれるな。
もう昔の話しだ、
それに…」
「…俺は今はあんた以上だ…
…って言うんだろ?」
違う?
と小さく笑う。
「…そこまでは思ってない。」
ニヤリ、と
小さく笑みを向ける。
「え~…──ちぇっ、
なんか損した気分だっ。」
ツンと口を尖らせて、
拗ねたような態度をとる。
「半分…冗談だ。」
ふんっと鼻であしらう。
「それじゃ、半分
褒め言葉として
受け取っとく。」
ニヒッと笑って
ウィルに応える。
と、今度は
ウィルから投げ掛ける。
.
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