Amiable Smile

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使用人の朝は早い。 特にその指導者は尚更。 使用人室に入ると、 パラパラと数人が もう既に仕事の用意の為に 忙しいそうに動いていた。 多分湯浴みや朝食、 朝の身支度に駆られるであろう 使用人達だ。 その中の一人、 奥でテキパキと指示を出す 黒を纏ったシモンさん。 「あっ…あの! おはようございます! シモンさん!」 いそいそとタイミングを 計って、上手く声を掛ける。 「あぁ、アリアさん。 おはようございますー。」 よしっ!つかみ成功!! 心の中でガッツポーズ、 のアリアに。 「ウィル様の件で、 私を伺ったのでしょう?」 おっと 見抜かれてましたか、 とちょっぴりビックリして はい、と控え目にお返事。 「ウィル様なら、昨夜遅くに 帰らましたー。だから…」 「はい!だから、私のお仕事 開始!ってコトですよね?」 「そーゆうコトですー。」 二人して見合って、 ぷっ、と吹くように笑った。 「お教えしていただき、 ありがとうございました! 早速準備してきますっ!」 がっちりと拳を握り、 ぐっ、と気合を入れ給湯室に 向かおうとする、と。 「あー…、ちょっと 待って下さい、アリアさん。」 「えっ?はい…?」 急に呼び止められる。 「もう一つ、 言い忘れていたコトがー…」 .
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