Amiable Smile

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「まだお休みだったか…」 ほんのちょっぴりお顔を 覗いてみる。 …あーあ、こうして静かに 寝ているだけだったら、 ほんの少ーし… 恐くは見えないんだけどね… 「………」 老け顔、ポツンと思った。 この方は老け顔だと思う。 だって、あのレヴィンさんと 同い年だって聞いたけど… 10才離れていると言われても 納得できそうなくらいだ。 でも 顔立ちは、くやしいほど 整っていて、綺麗だと思う… 美丈夫ってやつ…? その証拠に、ウィル様に 気付かないうちに、 魅入っている自分がいた。 (って、はっ!!いかんいかん!) よし…とりあえず、と ウィル様に手を延ばす。 さっきシモンさんに 言われた通りにしないと。 《起こさず、そのまま 寝かせたままに してあげて下さい》 寝ているはずなのに うっすらと眉を顰め、 顔に表れる疲労感。 そんな様子に、 ちょっと同情してしまう。 王子様の苦労なんて、私に 分かるはずもないのにね。 そんな事を思いながらも、 せめて、と 退けてしまっている布団を そっと掛けようと 身を乗り出す、と 「ん、ん"ん…」 「ん…?」 起こしてしまったかと 一瞬焦る、が、 ちょっとモゾついただけで 起きてはいないようだ。 .
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