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「もう、限界…」
起きろやー!と
なんとか手を伸ばして、
ポコポコパチパチと、
文字通り手当たり次第
体を叩き起こそうとする。
うわ…もう、ダメ…かも
「うっ…ん゛ん…ん?」
なんだ、一体…
寝起きでまだ働きかけの
脳をよぎる声、小さな痛み。
と、声の方を見やると、
今にもぶっ倒れ…もう既に
倒れているが、顔が真っ青の
苦しそうなメイド。
「………?」
どうしたというのだ。
と言いかけそうなるが、
その言葉が驚きと共に
喉の奥に引っ込む。
苦しんでいる原因
自分が、しかもたった今
アリアだと判ったメイド、
の上に倒れ込んでいる…と、
「…うわあぁあっ!」
なぜだなぜだなぜだ?!?!
なぜこんな事になっている?!
バババッ、と
素晴らしい速さで
慌てて後ずさるように
アリアから跳び退き、
尻餅をついたような格好で
その場に座り込む。
.
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