-発端-

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そんな様子で 負のオーラを放った私に、 エイチェさんはコホンっと 咳ばらいを一つ。 そして話しを続けた。 「アリアさん… 何か誤解してませんこと? 安心なさい。今回は 貴女が予想しているような 話ではありません。 …いえ寧ろ、ここのところ お仕事が良く出来ていて 感心していたところよ。」 え…そうなの? いや…そ、それよりも… 私は思わぬ言葉に 目を大きく見開いた。 エイチェさんから褒められるなんて これが始めてだったから… 「本当…ですか…? あ…っありがとうございます! お、お褒めの言葉をいただき、 誠に、有り難く存じますっ!」 ペコペコーっと勢い余り 一礼二礼、否何回も。 「そんなに畏まらなくても よいのですよ。 本当の事を言ってるまでだから。もちろん、メルさんも同じよ。」 メルは、はっとして エイチェさんに笑顔で応えた。 「はい! ありがとうございます!」 .
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