Amiable Smile

24/26
前へ
/206ページ
次へ
「私…間違って、ますかね…」 「…なにが?」 ちょっと俯きながら そのまま続ける。 「ウィル様、ちっとも 笑ってくれなくて、 なんだか寂しそうで… …私は笑っていて欲しくて。 …それなら、 自分から笑い掛けよう、って 思ったんです。でも…」 やっぱり、 笑ってくれないんだ。 「───ウィル様に、 笑っていてほしい… その一心で私は… でもこれって───唯の、 お節介なんでしょうか…?」 どうすればいいか、 分からないんだ。 そう思いながら、 また俯くアリア…寂し気に。 そこで、暫く閉ざされた レヴィンの口が開いた。 「…俺も、同じ考えだよ。」 「…え───?」 レヴィンは前を見据えたまま、 静かに強く、言葉を綴る。 「同じなんだ、俺も。 ウィルに笑っていて欲しい、 幸せでいて欲しい、 そう思っているよ。 ────けど… 中々難しいよね、実際…」 何かを思い出すかのように、 遠くを見るような目をする。 切な気で、寂し気な目だ。 .
/206ページ

最初のコメントを投稿しよう!

102人が本棚に入れています
本棚に追加