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「私…間違って、ますかね…」
「…なにが?」
ちょっと俯きながら
そのまま続ける。
「ウィル様、ちっとも
笑ってくれなくて、
なんだか寂しそうで…
…私は笑っていて欲しくて。
…それなら、
自分から笑い掛けよう、って
思ったんです。でも…」
やっぱり、
笑ってくれないんだ。
「───ウィル様に、
笑っていてほしい…
その一心で私は…
でもこれって───唯の、
お節介なんでしょうか…?」
どうすればいいか、
分からないんだ。
そう思いながら、
また俯くアリア…寂し気に。
そこで、暫く閉ざされた
レヴィンの口が開いた。
「…俺も、同じ考えだよ。」
「…え───?」
レヴィンは前を見据えたまま、
静かに強く、言葉を綴る。
「同じなんだ、俺も。
ウィルに笑っていて欲しい、
幸せでいて欲しい、
そう思っているよ。
────けど…
中々難しいよね、実際…」
何かを思い出すかのように、
遠くを見るような目をする。
切な気で、寂し気な目だ。
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