102人が本棚に入れています
本棚に追加
「…私は、どうすれば
いいんでしょうか?
───どうウィル様に
向き合っていけば…」
「そのまま、
笑っていてあげてよ。」
「えっ───」
即答されて、思わず声を出す。
「アリアちゃんは、
アリアちゃんらしく、
今のままでいいよ…
……俺だってそうだ。」
綺麗な瞳は前を見据えたまま。
まるで、
遠い未来を見つめるような、
強い眼差しで。
「アリアちゃんの笑顔は、
とっても…素敵な笑顔だよ。
その笑顔には、
人を幸せにする力が
宿ってる、そう思わせるほど。」
アリアに顔を向け、
ニコッと笑って見せる。
お世辞でも褒められた上に、
不意の笑顔を向けられて、
照れ隠しに思わず
抱えた膝に鼻まで埋める。
「だからさ、笑っていて?
…めげずにさ。俺も…
ちょっと頑張る。
そしたらいつか…」
まだ幼かった
あの頃のようなウィルが、
帰ってくるかな。
まだ匙を投げるのは早すぎる。
「だから…ね?俺達は、
俺達らしく行こ。」
俺達だけでも
そう言ってレヴィンは、
アリアにどう?と首を傾げる。
「…はいっ!!」
勿論です、と言わんばかりに
レヴィンにもまた笑顔で返す。
「そうそう、その笑顔♪」
ふふふっ、と二人で微笑み返し。
.
最初のコメントを投稿しよう!