Step by step

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「本当に、急な話で… 実はですね、本日の20時から、 隣国の王侯貴族様をお招きした… 交流会合…所謂、パーティを 開くことになりまして、はい。」 「「き、今日ですか??!」」 「そうなんですー… だから急だと言ったでしょう…?」 シモンさんは未だ少し 息を切らした状態のまま、 うっすら浮かぶ額の汗を 律義にハンカチーフで拭き抑え 一つ溜息をついた。 未だ驚きポカンとしているアリア。 しかしその隣で、 比較的冷静でいるメルが 静かに声を発した。 「しかし…いくらなんでも 急すぎやしませんか…?」 …そう言われてみれば、 シモンさんの言う今回のパーティは、 ただの集まりではない。 王族同士という格式重んじる場。 いくらなんでも急過ぎる… 心の中でアリアも小さな懸念を抱く。 「すみません、私どもも詳しくは… ただ、リゴレット様がそう仰せになって…」 「…そう、ですか。」 メルが呟くように相槌を打つ。 「ささ、そういう訳で、 事は一刻を争う状態です。 お二方もこれより早急に 準備の方にまわって下さい。 指示はその都度その場で 受けてもらうことになりますので。」 「はいっ、了解です!」 「はい…」 「では私も、事が事ですので これにて失礼します。」 そう言うや否や、急ぎ足で シモンさんはリネン室を去っていった。 .
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