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「………」
相手は黙ったまま、
じっと深緑色の瞳だけが
こちらに向けられている。
相手の顔は無表情のまま、
その表情からは、
一切の感情が読み取れ無い。
「………っ」
そのあまりの無に、私は
少しながら恐怖さえ感じた。
そしてそのまま
暫くお互い目をそらせずに
数秒が経った。
私は、勇気を振り絞って
やっと声を発した。
「あっ…!そのっ、すみません!
あのっ…ぶつかってしまって…
怪我はありませんか?!?」
「いや…」
大丈夫だ、とやはり声すら
感情のないトーンで答える。
…いや、それにしても、
うっわ~腰にくる
超低い声!!バス!!
…勿論、乗り物ではない…
.
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