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かつ、かつ、かつと…きっと、
出来る限り最速での速足で
向かってきた
アリア、という小さな使用人はその顔を見上げ、
何とも言い表し難い表情で
私にこう言ったのだ。
「あの……っ
使用人の、控え室って、
どちらかご存知ですか?…っ」
絵に描いたように顔は真っ赤、
おまけに涙目ではないか…
というかもう、
泣く一歩手前では…?
はぁ…
なんだ、やはり迷子ではないか。
呆れながら…また少し、
おかしな奴だと思いながらも
彼女に場所を教えてやると
「あ…
ありがとうございますっ!
迷惑かけて、
すいませんでしたっ!」
とだけ言い残して、
疾風の如く駆けていった。
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