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…はっ!
そんなことより!
今は挨拶が先だっ。
そう思い視線を正面に戻す。
書斎と呼ぶには広過ぎる部屋。
些か距離のある相手は
ギリギリだが"見える"限り、
資料に目を向けたまま、
一向に私を見てはない。
「………」
私は構わず
律義にお辞儀をして
そのまま、自然体を意識して
届くぐらいの声で言った。
「お初に御目にかかります。
アリア・セルベインと申します
本日より、
ウィル様のお世話役として
此方で働かせていただきます。
…よろしくおねがいします。」
よしっ;言えたぞ…
とにかく一安心。
相手は何も言葉を発しないが…
…と様子を窺うため
そろりと顔を上げると、
相手の方と目が合った。
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