-秘密の園で-

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「あっ…いや、その……っ!」 熱い。 今度は戸惑いと恥ずかしさで 顔が火照るのを感じた。 こんな所で、 一体何をしているのだと 相手に思われているだろう。 この年で、 子どものように泣いていて、 しかも赤の他人に 泣き顔を見られたのだから。 羞恥でさらに目頭が熱くなる。 違う意味でまた涙が出そうだ。 「…大丈夫?立てるか??」 「っ……は、はい…」 そんな私の気も知らず彼は、 両手で支えながら 私を立ち上がらせた。 (あ……) 「…ん?どした?」 「っ…!いえっ……」 立ち並んで気付いたが、 私が少年と思った彼は 思った以上に身長があった。 というのも最初、 『少年』と思ったのは… くりくりとした大きな目と、 幼く見える顔… 所謂、童顔のせいだったが、 身長で見てみたら、 彼は確実に『お兄サン』だった。 .
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