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お城の開けた場所を抜け、
少しばかり生い茂った
庭の木々が周りを囲む。
(城壁内に、
こんな森まであったのか…)
さくさくとやわらかい草地を踏み
まだまだ先に進む。
少し見上げる彼はやはり、
上機嫌で笑みを浮かべている。
───というかっ…うん、
もう少し身長の事を考えてっ…
欲しいんです、けど…
彼の歩幅が大きい分、
彼が少々急ぎ足なのが
私にとっては軽い駆け足だ。
「~♪」
「は、はぁ…っ」
息がだんだん上がってきた。
そんな事に彼は勿論気付かず。
…そろそろ、限界かもしれない…
私はそんな事を思いながら、
ふと苦し紛れに後を振り向くと
少し距離あるお城の一角が見えた。
…どうやら此方は、
城の北側みたいだ。
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